さだまさしベスト3~讃

さだまさし( 佐田雅志 ) さだまさしベスト3~讃專輯

12.遥かなるクリスマス

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

メリークリスマス
二人のためのワインと それから君への贈り物を抱えて駅を出る
メリークリスマス
外は雪模様気づけば ふと見知らぬ誰かが僕にそっと声をかけて来る
メリークリスマス
振り向けば小さな箱を差し出す
助け合いの子供達に僕はポケットを探る
メリークリスマス
携帯電話で君の弾む声に もうすぐ帰るよと告げた時のこと
メリークリスマス
ふいに誰かの悲鳴が聞こえた
正面のスクリーン激しい爆撃を繰り返すニュース
メリークリスマス
僕には何も関係ないことだと
言い聞かせながら無言でひたすらに歩いた

メリークリスマス
僕達のための平和と 世の中の平和とが少しずつずれ始めている
メリークリスマス
誰もが正義を口にするけど 二束三文の正義
十把一絡げの幸せ つまり嘘
メリークリスマス
僕はぬくぬくと君への 愛だけで本当は十分なんだけど
メリークリスマス
本当は気づいている今この時も
誰かがどこかで静かに命を奪われている
メリークリスマス
独裁者が倒されたというのに 民衆が傷つけ合う平和とは一体何だろう
メリークリスマス
人々はもう気づいている 裸の王様に大人達は本当が言えない

メリークリスマス
いつの間にか大人達と子供達とは
平和な戦場で殺し合うようになってしまった
メリークリスマス
尤も僕らはやがて自分の子供を
戦場に送る契約をしたのだから同じこと
メリークリスマス
子供の瞳は大人の胸の底を 探りながらじわりじわりと壊れてゆく
メリークリスマス
本当に君を愛している 永遠に君が幸せであれと叫ぶ
メリークリスマス
その隣で自分の幸せばかりを 求め続けている卑劣な僕がいる
メリークリスマス
世界中を幸せにと願う君と
いえいっそ世界中が不幸ならと願う僕がいる

メリークリスマス
僕は胸に抱えた小さな 君への贈り物について深く深く考えている
メリークリスマス
僕は君の子供を戦場へ送るために この贈り物を抱えているのだろうか
メリークリスマス
本当に君を愛している 永遠に君が幸せであれと叫ぶ
メリークリスマス
本当に本当に君を愛している 永遠に永遠に君が幸せであれと叫ぶ

メリークリスマス
凍りつく涙を拭いながら
メリー メリークリスマス
生きてくれ生きてくれ生きてくれと叫ぶ
メリークリスマス
雪の中で雪の中で雪の中で
メリークリスマス
白い白い白い白い雪の中で

メリークリスマス
メリークリスマス
・・・・・